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2013年04月24日

ローラー作戦を終えて ~仁丹町名表示板~

昨年の10月20日付けの記事 ローラー作戦始動! でご紹介しました、ローラー作戦、上京区に続き他の地域も、この3月でとりあえず完了しました。

仁丹の設置されているお家1軒1軒に
『京都の文化財だからいつまでも大切にしてくださいね!』
といったビラを入れる啓発&保全活動です。

京都の仁丹町名表示板は、今や一企業の広告の域を超えた、京都の立派な文化財です。
そして、いつの間にか京都のまちの風景の中にもしっとりと溶け込んでいます。
でも、年々減少の一途をたどっていることはみなさんご存じのとおりです。

そんな仁丹の減少を食い止め、いつまでも現役でという願いを叶えるためにはどうすればよいかと話し合った結果、ひとつの方法として考えたのが今回の ”ローラー作戦” でした。

ただし、電柱に設置されているものや、空き家になっていて郵便受けが封鎖されている場合もあるので、現役仁丹100%に対して行えたものではなく、可能なものはすべてということで ”とりあえず完了” というわけです。

基本はポスティングですが、お家の方と直接お話しすることもしばしばありました。
鉄骨で家を建て替えられたにも関わらず、仁丹を高らかに掲げておられるとあるお家では、
『貴重なもんやから大事にしてくれ、と親父から云われた』
と説明してもらうなど、すでに価値を理解していただいている方々に出会うこともあり、そういう時はとても勇気づけられました。

※  ※  ※


このローラー作戦は、当会会員何人かで手分けして精力的に実施したわけですが、様々なことがありました。

  あるはずの場所が更地になっていた
  あるはずの場所に真新しい家が建っていて仁丹が消えていた
  家はそのままなのに仁丹だけがなくなっていた
  今までなかったところに突如として仁丹が出現した
  埋蔵仁丹を教えてもらった

などなど悲喜こもごもの連続でした。

※  ※  ※


そのような中で、みんなが共通して強い危機感を抱いたのは次のようなケースでした。

 仁丹だけが消えているケース 

家はそのままあるのに仁丹だけが消えているケースです。
仁丹の跡が日焼けを免れてくっきりと型になっているのが痛々しく感じます。
聞けば、古物商の方がやって来て譲ってくれというので譲ったとおっしゃるのです。
それがひとつやふたつではなさそうなのです。
この1年ほどで仁丹だけが消えたケースは30程度ありました。
もちろん、すべてが古物商の方が、と言うわけではないのかもしれませんが、古物商の方々も”ローラー作戦”をしているという情報も寄せられています。
ただし、私たちとは意味が正反対なのですが、、、
状態が良く、京都らしいネームバリューのある町名のものがターゲットになっているようです。

でも、仁丹町名表示板は、公共のものであり、その場所になくてはならないものです。
レトロなだけのその他のコレクションアイテムとは根本的に違います。
80年以上も綿々と伝わってきたものが、このような形で京都市民から奪われていくことは非常に残念であり、悔しくてなりません。
どうか京都市民をこれ以上悲しませないよう、お願いしたいものです。


↑ 仁丹だけがなくなった状況 跡がくっきり残っている ↑



 盗難に遭うケース 

これは言語道断、犯罪です。警察へ盗難届が出されている場合も複数ありました。


 空き家のケース 

社会問題にもなっている空き家の増加は、仁丹も無縁のことではありませんでした。
郵便受けもガムテームなどで封印されており、いずれ家ともども姿を消すであろうことが予想されます。
 
これらいずれのケースも、仁丹町名表示板は町内のもの、公共のものという位置づけを早く明確にする必要があろうかと思います。

※  ※  ※


今回のローラー作戦、果たして効果があるのかどうかは分かりません。
でも、仁丹町名表示板に対して、初めて形となった保全活動だったことは違いありません。
そういう意味では大きな一歩だったと思います。

新たな仁丹を見つけた! なくなった! ネットオークションに出ている! と一喜一憂しているだけでは何も変わらない、何か行動しなければという私たちの気持ちも形にすることができました。


ところで、今回のローラー作戦によりここ半年の現状も把握することができました。
最新の統計を次回紹介させていただきます。

~京都仁丹樂會 滋ちゃん、たけちゃん、酒瓮斎、idecchi 、shimo-chan~




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この記事へのコメント
仁丹樂會の皆さん、ローラー作戦お疲れさまでした。

確かに去年1年間で仁丹だけが無くなっているケースを多く見かけました。外壁のリフォームで外され、そのままになっているであろうケースもありました。
その一方で、先代から大切なものだから大切に残してほしいということは、大変嬉しいです。

これ以上無くなることが無いよう願っています。
Posted by まっちゃ at 2013年04月25日 02:44
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