2013年04月29日
2013 最新統計 ~仁丹町名表示板~
ローラー作戦を終えての最新統計結果です。
この半年において、すべての現存仁丹を手分けしてチェックしたことになりました。
そして、並行して様々なデータも集まりましたので、ひとつの節目としてまとめてみました。
先ずは、確認データの総数と、現存・消滅・埋蔵の内訳です。
参考 昨年のデータ
「データ数」とは、私たちがフィールドワークを中心に収集したデータをベースとして、書籍や古写真などからも集めたデータの数です。つまりは過去に少なくとも実在が確認できた仁丹町名表示板の個体数というわけです。
「現存」は、町名表示板として今も現役で活躍しているものです。
「埋蔵」は、室内に取り込まれて地元で大切に保管されているもの、あるいはコレクションアイテムとなっているもの、昭和レトロなお店で飾られているものなど、存在するが町名表示板としては機能していないものです。
そして、「消滅」は現存数から埋蔵数を差し引いた数値であり、ほとんどがすでに廃棄されているでしょうが、もしかしたら埋蔵されているものも含まれているかもしれません。
参考に、昨年8月に発表しました統計シリーズからの数値も比較のため載せておきました。
いずれの項目も原則として増えていますが、それぞれの変化について以下に説明します。
≪データ総数について≫
その数、すべてで1,359となりました。
琺瑯製1,299、平成の復活バージョン17、木製43を合計した数です。
昨年のデータ総数は1,312でしたから、今回は47増えたことになります。
増加の理由で最も多かったのは過去の文献や古写真からの収集でした。
次の写真はそのような古写真の一例です。
今は観光客も多く訪れる新撰組の壬生屯所跡です。
撮影時期は不明ですが、写真の右端に2枚の仁丹が“究極の90度”で設置されています。
「壬生賀陽御所町」なる町名は読み取れるのですが、その下に続く小さな文字までは判読できませんでした。
でも、ここよりやや東に入ったところにあった(過去形)、次 ↓ の仁丹と同じ“町名+通り名”のタイプであったのでしょう。
したがって、屯所の写真左側は、「下京區 壬生賀陽御所町 綾小路通坊城東入」
右側は、「下京區 壬生賀陽御所町 坊城通綾小路下ル」
という表記であったであろうことが想像できます。
文献調査では、このように「ここにもあったのだ!」と驚くこともしばしばあります。
今後も順次紹介させていただきます。
≪現存数740≫
昨年の728に対して今回は740ですから、12増えています。
一見、喜ばしい数字ではあるのですが、実は昨年のデータで平成の復活バージョンにカウント漏れがあったことや、消滅したと思い込んでいたものが実は現存していたというものも今回に含まれ、現実としては減少傾向に歯止めがかかっていない事実には変わりはないのです。
今回は、平成の復活仁丹がかろうじてその減少数をカバーした形となりました。
でも、人知れず埋蔵されていたものが突如として出現したという純粋に喜べる仁丹が2,3ではあるものの含まれています。もし、私たちの活動が実ったのであれば誠に嬉しいのではありますが・・・
また、先日の梅津の仁丹などは非常に意義深いプラス1となりました。
≪木製仁丹について≫
昨年も今回の数字も、現役の木製仁丹は11と不変のように見えるのですが、実は減少2、増加2の統計上はプラスマイナス0となったに過ぎません。
減少2は、誠に残念なことですが上京区の姥ケ西町と、かの彩色豊な下京区の福田寺町です。しかし、ご安心ください、いずれも地元町内で大切に保管されています。この木製仁丹2枚が現存から埋蔵へと転じました。
では、現存の+2はと言いますと、他の町名表示板の下地に使われているものです。現役とは言い難いのですが、消滅でも埋蔵でもなく、上に被さっている町名表示板を取り除きさえすれば現役に返り咲くので、とりあえず現存でカウントしています。
≪埋蔵仁丹について≫
琺瑯の埋蔵仁丹がこの半年で21件も増えました。
これらの多くは、消滅してしまったと思っていたものが、ネットオークションに登場し、統計上は消滅から埋蔵に転じたに過ぎない、喜んでよいのかどうか疑問の数字です。
でも、地元で大切に保管されている純粋な埋蔵仁丹も新たに数枚判明しています。
この下鴨芝本町は、森下仁丹さんの「創業120周年記念 歴史保存事業 仁丹にまつわる思い出の品」に応募されたもので、同行を依頼された当会の滋ちゃんによるワンショットです。
詳しくは森下仁丹さんの facebook をご覧ください。
↑
リンクしています
行政区別のデータ数は以下のとおりです。
次の円グラフは、行政区別の「確認データ数」を表したものです。
以上が現時点における最新統計結果ではありますが、もちろんすでに変動が起こっているかもしれません。
また、昨年の統計記事は以下のとおりです。ご参考までに。
青い文字をクリックするとリンクしています。ただし、データは当時ままで、更新はしていません。
2012年08月05日 現存728枚!埋蔵97枚! 仁丹町名表示板
2012年08月06日 行政区別 確認・現存枚数 仁丹町名表示板
2012年08月10日 学区別 確認・現存枚数(前編) 仁丹町名表示板
2012年08月11日 学区別 確認・現存枚数(後編) 仁丹町名表示板
2012年08月18日 設置枚数ベスト3 仁丹町名表示板
2012年08月25日 設置率 上京区の場合 仁丹町名表示板
2012年09月09日 設置場所統計結果 仁丹町名表示板
2012年09月29日 文字数の最多と最少 仁丹町名表示板
この半年において、すべての現存仁丹を手分けしてチェックしたことになりました。
そして、並行して様々なデータも集まりましたので、ひとつの節目としてまとめてみました。
先ずは、確認データの総数と、現存・消滅・埋蔵の内訳です。
~ 2013.4.29現在 京都仁丹樂會調べ ~
参考 昨年のデータ
~ 2012.8.5現在 京都仁丹樂會調べ ~
「データ数」とは、私たちがフィールドワークを中心に収集したデータをベースとして、書籍や古写真などからも集めたデータの数です。つまりは過去に少なくとも実在が確認できた仁丹町名表示板の個体数というわけです。
「現存」は、町名表示板として今も現役で活躍しているものです。
「埋蔵」は、室内に取り込まれて地元で大切に保管されているもの、あるいはコレクションアイテムとなっているもの、昭和レトロなお店で飾られているものなど、存在するが町名表示板としては機能していないものです。
そして、「消滅」は現存数から埋蔵数を差し引いた数値であり、ほとんどがすでに廃棄されているでしょうが、もしかしたら埋蔵されているものも含まれているかもしれません。
参考に、昨年8月に発表しました統計シリーズからの数値も比較のため載せておきました。
いずれの項目も原則として増えていますが、それぞれの変化について以下に説明します。
※ ※ ※
≪データ総数について≫
その数、すべてで1,359となりました。
琺瑯製1,299、平成の復活バージョン17、木製43を合計した数です。
昨年のデータ総数は1,312でしたから、今回は47増えたことになります。
増加の理由で最も多かったのは過去の文献や古写真からの収集でした。
次の写真はそのような古写真の一例です。
~京都民家譜 毎日新聞京都支局編 日本資料刊行会 1977年発行 より~
今は観光客も多く訪れる新撰組の壬生屯所跡です。
撮影時期は不明ですが、写真の右端に2枚の仁丹が“究極の90度”で設置されています。
「壬生賀陽御所町」なる町名は読み取れるのですが、その下に続く小さな文字までは判読できませんでした。
でも、ここよりやや東に入ったところにあった(過去形)、次 ↓ の仁丹と同じ“町名+通り名”のタイプであったのでしょう。
したがって、屯所の写真左側は、「下京區 壬生賀陽御所町 綾小路通坊城東入」
右側は、「下京區 壬生賀陽御所町 坊城通綾小路下ル」
という表記であったであろうことが想像できます。
文献調査では、このように「ここにもあったのだ!」と驚くこともしばしばあります。
今後も順次紹介させていただきます。
≪現存数740≫
昨年の728に対して今回は740ですから、12増えています。
一見、喜ばしい数字ではあるのですが、実は昨年のデータで平成の復活バージョンにカウント漏れがあったことや、消滅したと思い込んでいたものが実は現存していたというものも今回に含まれ、現実としては減少傾向に歯止めがかかっていない事実には変わりはないのです。
今回は、平成の復活仁丹がかろうじてその減少数をカバーした形となりました。
でも、人知れず埋蔵されていたものが突如として出現したという純粋に喜べる仁丹が2,3ではあるものの含まれています。もし、私たちの活動が実ったのであれば誠に嬉しいのではありますが・・・
また、先日の梅津の仁丹などは非常に意義深いプラス1となりました。
≪木製仁丹について≫
昨年も今回の数字も、現役の木製仁丹は11と不変のように見えるのですが、実は減少2、増加2の統計上はプラスマイナス0となったに過ぎません。
減少2は、誠に残念なことですが上京区の姥ケ西町と、かの彩色豊な下京区の福田寺町です。しかし、ご安心ください、いずれも地元町内で大切に保管されています。この木製仁丹2枚が現存から埋蔵へと転じました。
では、現存の+2はと言いますと、他の町名表示板の下地に使われているものです。現役とは言い難いのですが、消滅でも埋蔵でもなく、上に被さっている町名表示板を取り除きさえすれば現役に返り咲くので、とりあえず現存でカウントしています。
≪埋蔵仁丹について≫
琺瑯の埋蔵仁丹がこの半年で21件も増えました。
これらの多くは、消滅してしまったと思っていたものが、ネットオークションに登場し、統計上は消滅から埋蔵に転じたに過ぎない、喜んでよいのかどうか疑問の数字です。
でも、地元で大切に保管されている純粋な埋蔵仁丹も新たに数枚判明しています。
この下鴨芝本町は、森下仁丹さんの「創業120周年記念 歴史保存事業 仁丹にまつわる思い出の品」に応募されたもので、同行を依頼された当会の滋ちゃんによるワンショットです。
詳しくは森下仁丹さんの facebook をご覧ください。
↑
リンクしています
※ ※ ※
行政区別のデータ数は以下のとおりです。
~ 2013.4.29現在 京都仁丹樂會調べ ~
次の円グラフは、行政区別の「確認データ数」を表したものです。
~ 2013.4.29現在 京都仁丹樂會調べ ~
以上が現時点における最新統計結果ではありますが、もちろんすでに変動が起こっているかもしれません。
また、昨年の統計記事は以下のとおりです。ご参考までに。
青い文字をクリックするとリンクしています。ただし、データは当時ままで、更新はしていません。
2012年08月05日 現存728枚!埋蔵97枚! 仁丹町名表示板
2012年08月06日 行政区別 確認・現存枚数 仁丹町名表示板
2012年08月10日 学区別 確認・現存枚数(前編) 仁丹町名表示板
2012年08月11日 学区別 確認・現存枚数(後編) 仁丹町名表示板
2012年08月18日 設置枚数ベスト3 仁丹町名表示板
2012年08月25日 設置率 上京区の場合 仁丹町名表示板
2012年09月09日 設置場所統計結果 仁丹町名表示板
2012年09月29日 文字数の最多と最少 仁丹町名表示板
~ 京都仁丹樂會 滋ちゃん・shimo-chan ~
Posted by 京都仁丹樂會 at 17:55│Comments(2)
│統計
この記事へのコメント
いいですね 仁丹看板
お疲れさまです 統計 グラフ・・・データを
拝見すると
ローラー作戦ということがよく分かります
先回あった仁丹看板が今年なかったり
ずっと下に隠れていた仁丹が今年みたら
現れていたり
生き物のようです
これからも楽しみにしています
お疲れさまです 統計 グラフ・・・データを
拝見すると
ローラー作戦ということがよく分かります
先回あった仁丹看板が今年なかったり
ずっと下に隠れていた仁丹が今年みたら
現れていたり
生き物のようです
これからも楽しみにしています
Posted by FLYMAN at 2013年04月29日 21:34
FLYMANさん、今もコツコツと仁丹巡りをしておられる様子ですね。
>生き物のようです
まさしく、私たちもそのように感じています。
つい先日、近所の人に勧められて埋蔵仁丹を取り付けたというお家がありました。
足場のない2階の壁に取り付けるだけでも、大変なことなのに驚きました。
でも、地元で大切に保管されている埋蔵仁丹の存在にちょっと安堵です。
>生き物のようです
まさしく、私たちもそのように感じています。
つい先日、近所の人に勧められて埋蔵仁丹を取り付けたというお家がありました。
足場のない2階の壁に取り付けるだけでも、大変なことなのに驚きました。
でも、地元で大切に保管されている埋蔵仁丹の存在にちょっと安堵です。
Posted by shimo-chan at 2013年05月06日 09:06