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2016年02月16日

コペルニクス的転回となるか!?

コペルニクス的転回となるか!?
-パラダイムの転換を迫られる-


「コペルニクス的転回」というのは、よく知られるように、見方や考え方が 180°(全く正反対に)変わることの喩えであり、哲学者カントが自身の認識論を言い表した言葉です。

京都における仁丹町名表示板は、どのように製作・設置されたのか?
京都仁丹樂會の内部では、これについて二つの説がありました。
それは、「リヤカー説」と「工場説」です。
前者は、リヤカーで設置する現場に白地の表示板を持ち込み、現地で町名等を記入して直ちに設置して廻ったというものです。それに対して後者は、文字通り工場で町名表示板を製作したうえ、現地に運んで設置したというものです。
そして、その間の経緯は必ずしも定かではないのですが、二説のうち「リヤカー説」が有力説とされてきた(ようなのです)。
私自身は、「リヤカー説」には組せず、「工場説」を主張していました。

ところが先頃、京都市産業技術研究所研究員の方が仁丹町名表示板を分析調査したところ、文字の部分は墨やペンキなどで書いたのではなく、黒琺瑯であることが判明したと云うのです。
これは、有力説とされてきた「リヤカー説」が成り立たないことを意味しています。
つまり、仁丹町名表示板の「造り」そのものについての見方が、従来の「リヤカー説」から「工場説」へと、ちょっとしたコペルニクス的転回をもたらしそうな気配なのです。



琺瑯加工しても経年変化で褪色してしまう不良品が稀にあるようです


かつて、《パラダイム》という言葉が学問の世界で広く使われました。
元々は物理学が専門だったのですが、科学史・科学哲学に専攻をシフトしたトマス・クーンというアメリカの学者が『科学革命の構造』という著書で、「パラダイム」に新しい意味をつけました。門外漢である私の浅薄な理解ですが、クーンのいう《パラダイム》は、「真理や教説といったものもやはり時代の影響を受けるため、いつの時代にあっても常に正しいと云うわけではない」と云うような意味として受け取っていました。
1960年代後半からのベトナム反戦・反公害闘争・学園闘争が高揚した頃、学問の問い直しと言ったことが厳しく議論されました。そのような中、自然科学だけではなく社会科学の分野でも、「パラダイム転換」ということが喧しく云われ、大流行することとなりました。
「パラダイム転換」というのは、抜本的な変革を必要とするときに、「思考の基本的枠組み」の転換、と言ったような意味で用いられるようになったのです。

閑話休題。
長い間、京都仁丹樂會で有力説とされてきた「リヤカー説」の想像させる情景は、のどかでほのぼのとしており、何となく郷愁を覚える説でした。しかし、これがどうも成立し難い見込みとなって来つつあるのです。
こうして、再び「工場説」が浮上する気配を見せるいま、改めて両説をきちっと見直すべき時期に差し掛かっているいるように思われます。
両説の見直しを進めるためには、パラダイム転換が必要となっているようです。

~京都仁丹樂會 酒瓮斎~



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Posted by 京都仁丹樂會 at 22:43│Comments(0)永遠のテーマ
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