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2016年07月19日

仁丹町名表示板 今、何枚?

第2回ローラー作戦実施 現存数672枚に 68枚減少!



~国土地理院ウェブサイト(http ://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do#1)より~


今、この京都のまちに、仁丹町名表示板は何枚あるのか?
を正確に知るため、このほど第2回ローラー作戦を実施しました。京都仁丹樂會の會員それぞれがエリアの分担を決め、2016年3月~6月の短期間に一気に京都市内全域を見て回りました。結果は次のとおりでした。

現存数 ・・・ 672枚
消滅数 ・・・ 542枚
埋蔵数 ・・・ 187枚

「現存数」というのは、基本的には現役の仁丹町名表示板のことです。そもそも道行く人に見えるようにと設置され、それが今も継続しているものです。ただし、極少数、町名表示板として機能しているのか?と悩む個体もありますが、ずっと設置され続けているという意味で現存数にカウントしているものも含まれています。

「消滅数」は、家の解体や改修などに伴い消えてしまった数です。廃棄されたものもあるでしょうし、もしかしたらどこかで保管されているものもあるかもしれませんが、とりあえず姿を消し消息不明となったものです。

「埋蔵数」は、コレクションとして所有されているもの、家の改修などにより取り外したものの廃棄されずに保管されていることが確認できているものなどです。

第1回ローラー作戦は、今から3年前、現存数確認と併せて、保存活動としてのリーフレットの配布を行いました。詳細は当會ブログの次の記事をご覧ください。青い文字はリンクしています。
 ローラー作戦始動! 仁丹町名表示板
 2013 最新統計 ~仁丹町名表示板~


それでは、この3年間でいかなる変化があったでしょうか? 次の数字をご覧ください。


何と、この3年間で現存数が68枚も減少してしまいました。「現存」でなくなるということは、「消滅」または「埋蔵」に移行したわけですが、これら両者の増加数を合算すると 43+67=110 となり計算が合いません。その原因は、過去の写真や新たに発見した埋蔵など、私たちが今まで把握していなかった個体の存在が、この3年間で42枚出現したことを意味しています。

※     ※     ※

最も関心のある数値は「現存」の“減少数”でしょう。一見、“68枚もなくなった!”となるのですが、現実はもう少し深刻です。実は「現存」の中には、長年埋蔵されていたものが突如として復活したものや、前回のローラー作戦では設置家屋が解体され「消滅」に区分していたものが建て替え後の新築家屋に再び掲げられたなど、「消滅」または「埋蔵」から「現存」へと返り咲いたものが11枚ありました。したがって、実際にこの3年間に姿を消した仁丹町名表示板は68枚よりも多く、残念ながら79枚となります。

では、この現実に消滅してしまった79枚について、その原因を分類すると次のような内訳となりました。

(1)設置家屋の解体  26枚
(2)設置家屋の改修  15枚
(3)仁丹町名表示板だけが姿を消したもの  35枚
(4)その他  3枚

(1)解体や(2)改修で姿を消すのは、残念ではあるものの従来から見られた自然な成り行きとも言えます。そのまま産業廃棄物として処分されたかもしれませんし、商業取引のための経路に乗ったものもあるのかもしれません。
はたまた何度か経験したように町内で守られていていずれ復活するものもあるかもしれません。現実に、新築後あるいは改修後に再び設置するつもりで保管中だというものを少なくとも5枚は確認しています。これらは現時点では一旦「埋蔵」にカウントしていますが、そのうち「現存」の仲間入りをすることでしょう。郷土資料として近所の小学校に保管されたものもありました。

(4)その他というのは電柱に付いていたものが、電柱ごと取り替えられてしまい行方不明となるなど、イレギュラーなケースです。

これらに対して、誠に残念至極なのが「(3)仁丹町名表示板だけが姿を消したもの」です。減少数の何と44%を占めます。設置されていた環境は何も変化がないのに、仁丹町名表示板だけが姿を消してしまっているのです。このケース、誰しも思い浮かべるのが盗難という悲しい事態でしょう。中には盗難を恐れて家の奥深くに埋蔵されてしまったものも複数確認していますので、すべてが盗難とは限りませんが、家の方も私たちが尋ねるまで気づかれなかったこともありました。いつの間にか骨董店で売られているものもありました。2014年から2015年にかけての年末年始、盗難事件がマスコミなどでも大いに騒がれ一時期は下火になったかと思いましたが、相変わらず忽然と消える事象が発生しているようです。

突然、仁丹町名表示板だけが姿を消してしまったケース、ほんの一例ですが次のようなものがありました。











90年近くも地域に馴染み、景観の一部でもあったものを、一体誰が何の権利があってこのようなことをするのでしょうか? 住所の表示板ですからそれがどこに設置されていたものかは一目瞭然です。しかし、近頃、それを分からなくするためか住所部分を白色で塗り潰し、その上に希望の住所を書くといった新たな手法が登場してしまいました。愕然としました。同様のことが広がらないよう祈るばかりです。

※     ※     ※

さて、最後に気分が明るくなるケースをご紹介しましょう。

ここは、下京区は東洞院通と下珠数屋町通の交差点です。かつて次の3枚の仁丹がありました。
  A 下京區 東洞院通 下珠數屋町 下ル 飴屋町
  B 下京區 東洞院通 下珠數屋町 下ル 橘町
  C 下京區 下珠數屋町通 東洞院 西入 橘町



でも、左右の家が解体され一気に3枚が減少したものの、2015年に相次いですべてが復活、引き続き“3枚ヶ辻”健在となりました。下の写真が現在の様子です。




その他にも、私たちが今まで全く把握していなかったものが、突如設置されていたというケースも複数ありました。家の御主人曰く『家を建て替えしてから仕舞い込んでたけど、やっぱり付けなあかんなぁと思ったんや』と仁丹町名表示板に対する愛着、そこから垣間見える郷土愛に感動する一幕もありました。さらに、家の改修後にはあえて手の届かない高い場所に再設置されるものもあり、大切にしていこうという気持ちが読み取れ嬉しくなりました。

仁丹町名表示板が注目されて、心無い仕業で減るものもあれば、逆に町内で大切にしなければという気持ちも強まっているようで、一喜一憂させられる第2回ローラー作戦でした。

~京都仁丹樂會~


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Posted by 京都仁丹樂會 at 06:52│Comments(4)統計
この記事へのコメント
『琺瑯看板探検隊が行く』のつちのこです。
京都の仁丹看板は急速に消失しているようですね。3年前と比べて68枚の減とは驚きました。
2005年から仁丹看板を探し始めて、今年の5月で739枚となりました。これは木製と平成版込みの数字ですが、ひとつの目標として2013年度貴会調査の740枚という数字があったので自分としてはこれで打ち止めにしようと思っていました。
仙台在住の身では、京都へ通うのも苦しい状況ですが、これからは消失していく看板にも関心を持って自分なりに記録していこうと思います。
ところで、ぜひ教えていただきたい情報があります。
『上京区鹿ヶ谷宮ノ前町』と『上京区鹿ヶ谷法然院町』ですが、これまでに何度もチャレンジして見つけることができません。
この二枚はすでに消失しているのでしょうか?
ずっと気になっています。
ご迷惑でなければ、ご教示ください。
Posted by つちのこ at 2016年07月23日 23:34
つちのこさん、いらっしゃいませ。

ご質問の件ですが、残念ながら両方ともすでに姿を消しました。

前者は建物の解体直前に消え、その後商業取引されていますので、今もどこかで埋蔵されているはずです。

後者は仁丹町名表示板だけが忽然と消えました。
Posted by shimo-chan at 2016年07月24日 06:09
ありがとうございました。
これでわだかまりが消えました。
そにしても仁丹看板の減少、これ以上拡大しないように願うばかりです。
Posted by つちのこ at 2016年07月24日 10:11
はじめまして〜
どんどん新しいお家が建ち
京都らしい町並みが消えていきます。

最近古いお家が取り壊され
木製看板が取り外され
今この木製の仁丹の看板を抱えてます。
これの保存に憂慮しております・・・
傷みも進みこのまま違う場所に付けるとしても
劣化で板切れ同然になるのではと・・・
レプリカでもと考えますが・・・
どうなんでしょうね?・・・
Posted by jk at 2017年04月24日 09:31
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