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2012年10月15日

初めてのガイド「まいまい京都」

初めてのガイド「まいまい京都」


昨日10月14日、京都仁丹樂會として初めてのガイドを「まいまい京都」で行いました。
団体名で行うガイドは私たちが最初とのことです。

午前10時、参加者およびスタッフ合わせて20名ほどが地下鉄四条駅に集合。
仁丹町名表示板に対する知識の度合いがまちまちであろうと、プロローグから始めます。

この時、会員手作りの「京都仁丹樂會」のタスキもデビューです。
ちょっと恥ずかったのですが、これも仁丹町名表示板の存在と大切さを知っていただくための啓発活動の一環です。

その後、西本願寺までゾロゾロと仁丹を探しながらのまち歩きが始まりました。
コースは次のとおり。

初めてのガイド「まいまい京都」

先ずは京都一番のビジネス街、四条烏丸の目と鼻の先にある”仁丹パワースポット”で腕試しです。
ポイント2と3の間の匂天神町の辻子を何の予備知識もなく一往復していただき、仁丹を何枚見つけることができるか挑戦していただきました。
そして挙手で答えていただいたところ、案の定4枚との回答が大半だったものの、おひとりだけ5枚で挙手された方がおられたので、ネタがばれているとドキッとしました。
正解はさらに上回る「6枚」なのでした。
琺瑯仁丹が4枚、そして色褪せた木製仁丹が1枚、さらに琺瑯仁丹の下地になってしまった木製仁丹が1枚。

木製仁丹の存在にはみなさん驚きの声をあげておられました。

初めてのガイド「まいまい京都」


初めてのガイド「まいまい京都」


この後、上下左右を見るという”キョロキョロ”、同じ道を必ず一往復するという”ウロウロ”、さらには冬になって初めて見える仁丹や埋蔵の復活なども考慮に入れるなら”まったり”といった、仁丹探しのコツを披露しました。

ポイント4の因幡薬師では、少し時間を取って仁丹の薀蓄の解説です。

ここで、サプライズです。
森下仁丹さんに登場していただきました!
まるで木製仁丹が保護色になっていて見つけにくいように、一般参加者の中に森下仁丹さん3名の方々に混じってもらっていたのでした。
一堂、驚きの声が上がります。

そして、仁丹の歴史について広報の花田様よりひととおり説明していただきました。ありがとうございました。
ご説明いただいているところ ↓ です。
初めてのガイド「まいまい京都」

それにしても、参加費を徴収した上に、ガイドもさせてしまい、さらには「仁丹」の試供品まで頂戴しました。誠に恐縮です。重ねて御礼申し上げます。

続いて、少しは解明されてきた仁丹の謎についてさらに解説を加えた後、まち歩き再開です。
ポイント6の色彩の残った福田寺町の木製仁丹を拝観しにいきます。


ポイント7~8の間では、仁丹を探していてついでに見つかる面白いものということで、北阪ビル内に保存されている市電をご紹介しました。
初めてのガイド「まいまい京都」


そして、非常に貴重なものとして、この北阪ビルのすぐ南側にある道路上の蓋もご紹介しました。

初めてのガイド「まいまい京都」


真ん中のマーク、見覚えのある方はおられるでしょうか?
とらさんのご実家、柴又帝釈天の「とらや」さんとは少し違います。

初めてのガイド「まいまい京都」


これは京都に電気を配っていた「京都電燈」の社紋なのです。その一部であった嵐電も同じ社紋です。京都電燈は後に関西電力の一部となります。

実は、その昔、電力供給会社は全国に林立していました。
そして儲かる事業だということで、京都市も参入、蹴上発電所の電気を配りだしたのです。
水道局が水道を配るように、電気局が電気を配っていたのです。
そして、両者はライバルとなって競合、大正3年に京都府知事の裁定が入り、おおむね三条通りよりも北は京都市、南は京都電燈という棲み分けが行われたのでありました。
この蓋、その時の名残りなのですね。

一方、かつて上京区で仁丹探しをしていたときに見つけた、この外灯の琺瑯製の傘もその時の名残なのかもしれません。

初めてのガイド「まいまい京都」


話が横道に逸れましたが、仁丹を探していて、ついでに身に付く京都の歴史も多いという一例の紹介でした。


さて、五条通りを横断して、いよいよ仁丹の佳境へと突入です。

ポイント9では、ご覧のとおり3枚の仁丹とライオンズクラブさんの町名表示板、そして京都市広報板がありました。
そのうち住所表示と設置場所が一致しているのは2枚の仁丹だけでした。
突然ここに現れたならば、どこを歩いているのか、はたまた東西南北も分からなくなるポイントです。

初めてのガイド「まいまい京都」


この後、電柱の仁丹、隠れた仁丹などを見学しつつ、ほぼスケジュールどおりの正午過ぎ、西本願寺前に到着です。

初めてのガイド「まいまい京都」


そして、この日に見られた仁丹は都合35枚。

驚異の長持ちの仁丹、歴史を教えてくれる仁丹、京都への郷土愛を見せてくれる仁丹。
今や一企業の広告の域を超えた、京都の立派な文化財のひとつであるとこをご理解いただけたら幸いです。

ご参加のほど、誠にありがとうございました。



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Posted by 京都仁丹樂會 at 23:39│Comments(2)トピックニュース
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10月14日(日)の午前中はタイトルにも有りますように「京都仁丹樂會といく、下京の仁丹町
京都仁丹樂會といく、下京の仁丹町名表示板~仁丹好きには宝のような辻子から、木製・琺瑯35の仁丹を辿る~【かずっちのボチボチ・・・】at 2012年10月18日 07:25
この記事へのコメント
先日は大変お世話になりました。
ガイド内容も準備も色々とご苦労があったかと思いますが、
素晴らしいご案内でした。
参加された方々にも、皆様の思いが伝わったのではない
かと思います。
仁丹樂會の皆様や、参加者の皆様、森下仁丹の方にも
お会いでき、たいへん充実した町歩きでした。
ありがとうございました。

最近あまり時間がとれず看板探しもなかなか出来ておりません
が、改めて町歩きにまた精を出したいなと思いました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
Posted by idecchi_2006 at 2012年10月19日 19:37
idecchi_2006 さん、ご参加ありがとうございました。
ようやくお会いでき、こちらこそ嬉しかったです。

仁丹の謎はひとりで悶々と考えていてもなかなか壁を越えられるものではありません。
そんなとき、他の人のひとことで閃くこともあります。

idecchi_2006 さんも当ブログへご参加いただき、様々な見解をご披露いただければ幸いです。
Posted by 京都仁丹樂會京都仁丹樂會 at 2012年10月22日 21:04
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