東京の木製仁丹 寄贈へ

京都仁丹樂會

2022年08月01日 15:42

2022年6月10日の当ブログ記事でお知らせしましたとおり、東京の木製仁丹町名表示板を7月29日に森下仁丹株式会社様に寄贈いたしました。


写真は、森下仁丹株式会社経営企画室室長 地主紀之様(左)と京都仁丹樂會代表 立花滋(右)です。

ただ、現物だけでは単なる板切れにしか見えませんので、そもそもはこのようなものでしたと再現したレプリカも進呈しました。


再現にあたっては、東京のかつての古写真や京都市に残っている木製仁丹、さらには公文書にある大阪市などの町名札作成要領などを参考にしました。

大きさは、今回の東京の実物を計測すると縦785ミリ、横177ミリ、厚み8.5ミリでした。しかし、木材は乾燥・経年によって縮み、それは木目の向きによって、縮む割合が変わります。さらに節目部分は元々堅くて縮みはほとんど無いと考えられます。今回のケースでは、横の縮みは大きく、縦の縮みは小さいはずです。
このことから、元々の大きさは、当時の尺基準で、縦2尺6寸(787.87ミリ)、横6寸(181.81ミリ)、厚み3分(9.09ミリ)ではなかったかと推測され、その寸法で再現してみました。

しかし、これらだけではまだ今回の貴重さを説明することができません。そこで、その位置づけを説明するために東京都公文書館の大正10年「町名標示ニ関シ照会ノ件」をベースにした冊子を作成のうえ、当会会員による学術論文とともに進呈させていただきました。




ところで、東京は根津神社近くの元々の設置場所には、再現したレプリカを次の写真のように設置させていただいています。ご協力に感謝です。


森下仁丹株式会社さんは来年、創業130年を迎えます。この節目にタイミングよく登場した東京の木製仁丹、何か不思議な縁を感じます。

~京都仁丹樂會~

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