数の上からも約77%を占めるので「標準仕様」と言わざるを得ないのが、中心区に見られる通り名を組み合わせたタイプです。公称とも合致します。
ただし、仁丹の商標が上に付いているタイプと下に付いているタイプがあるのです。謎です。
大阪の赤仁丹、黒仁丹にならって、商標が上にあるのを標準仕様(上仁丹)、下にあるのを標準仕様(下仁丹)とここでは呼ぶことにします。
書式は次のとおりです。
【標準仕様(上仁丹)】 商標+行政区名+通り名1+通り名2+方向+町名
【標準仕様(下仁丹)】 行政区名+通り名1+通り名2+方向+町名+商標
標準仕様(上仁丹)の例
標準仕様(下仁丹)の例
行政区名は右から左へと書き進む右横書きです。
横幅15cmのスペースですから小さな文字で描かれます。
また、区なる文字は旧字体の「區」が使われていますが、他の文字にしても基本的に旧字体が使われています。
続いて、太く大きな文字で2本の通り名の組み合わせと上ル下ルなどの方向の指示、そして再び小さな文字となって町名が続きます。
京都の中心区ではれっきとした町名があるにも関わらず、それを使わずに通り名だけで場所を表わす習慣があります。それだけで用が足りるのです。
標準仕様はこのような日頃の市民の慣わしに軸足を置いていることが分かります。
でも、町名も記すことで公称は無視していないのです。
ちなみに、レアケースですが、難読の通り名や町名にルビが入ることや長い町名が縦2行になることもあります。
この住所表示の部分は、黒のペンキによる手書きです。
1枚1枚職人さんが書かれたのでしょう。
達筆ですが、個性もあり、その筆跡の違いから製造ロットを探ろうと言う試みもできそうです。
色彩は白地に黒の文字とし、周囲を濃紺の太いラインで縁取り、商標はビスマルクの胴体部分に赤が入ります。
駅名やその他様々な琺瑯製表示板は、紺地に白文字が一般的だった当時としては、落ち着いた中にもキラリと輝くセンスが見られます。
以上が標準仕様であり、極々一部の例外を除き、公称表示と100%合致している仕様です。
なお、商標が上に付いている標準仕様(上仁丹)は全体の約21%で
※旧上京区管内でしか見ることができません。
その理由は分かっていません。永遠の謎なのです。
様々な推理をコメントとして寄せていただきたいと思います。
※割合について※
割合を示す%の数値は、とりあえず集計の終わっている約750の個体を母数にしています。
割合ですから、今後もあまり変わらないとは思いますが、京都仁丹樂會では約1400の個体について分類および集計作業を現在進めています。
結果が出ましたらまた報告させていただきます。
※旧上京区管内とは※
昭和4年4月1日に中京区が誕生するまでは、ほぼ三条通を境にして北側が上京区、南側が下京区であり、これら2つの区しかありませんでした。