2014年02月22日
京都仁丹樂會 京都景観賞 特別表彰に

昨年、このようなチラシを見つけました。
“皆様がまちで見かけるお気に入りの看板、自慢の看板をご応募ください”
ビビッと感じるものがありました。
こう問いかけられて、私たちが思いつくものと言えば当然 『仁丹町名表示板』 です。
さらに、公募の対象として次のような条件が書かれていました。
京都市内に設置されている次のいずれかに該当する屋外広告物
○まちの景観に調和しており、デザインや風合い等が素晴らしい屋外広告物。
○まちの景観に調和しており、古くからあり歴史的価値を感じる又は時代の特徴を現している等の屋外広告物。
“次のいずれか”ではなく、“次のいずれにも”ズバリ該当しているではありませんか。
また、屋外広告物の定義として
「常時又は一定の期間継続して、屋外で、公衆に表示されるものをいいます。看板、立看板、広告塔、広告板、案内板、のれん、提灯、表札、旗などを指し・・・」
とありました。これまた、ぴったしです。
ということで、想定外として門前払いになるかもしれないと思いつつ、一か八か応募してみました。
しかし、驚くことに森下仁丹株式会社と私たち京都仁丹樂會が「特別表彰」されることになり、この2月17日に公報発表されました。
詳しくは、この ↓ とおりです。
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000162696.html
※ ※ ※
応募するに当たっては、所定の推薦書を書かなくてはなりませんでした。屋外広告物の所在地、名称、現況、推薦理由などです。
特に頭をひねったのが所在地でした。どのように書けばよいのでしょうか?
結局、見本として添付した写真に合わせて「上京区浄福寺通上立売上る大黒町 他市内およそ 700 箇所」としました。
名称は、「仁丹町名表示板」です。
そして、肝心の推薦理由です。限られたスペースで書き尽くせなかったので、“別紙のとおり”として3枚ものまるでレポートのような推薦書になってしまいました。理由は次の5点です。それぞれの内容はすでに当ブログや「まいまい京都」で解説していますので、ここでは概略のみの紹介とさせていただきます。
① 古くても美しくデザインも秀逸
大半が 85 年ほど前のものだが、琺瑯引きのため今なお美しく、亜流のものとは決定的な違いを見せている。色使いも紺、白、黒、そして少しばかりの赤と、京都らしく落ち着いた中にも艶やかさがある。広告を兼ねているとは言え、商品名やキャッチコピーがなく、威厳のある大礼服姿の男性をデザインした商標のみで、陳腐化していない。
②建物にマッチする
京町家にもモダンな建物にも違和感なく良くマッチしている。
③京都独特の住所が正確に表記され、正確な場所に設置されている
京都のひとつの文化とも言える、通り名を組み合わせた独特の住所表示が、公称どおり正しく記され、しかも極めて正確な場所に設置されている。
④京都の近代史を教えてくれる
戦時中の建物疎開跡地を利用した都市計画など、私たちがすでに忘れてしまった京都の近代史を教えてくれる。
⑤郷土愛が見える
あたかも老舗が看板を代々大切に引き継ぐかのように、まさしく“町内の看板”として扱われており、そこには町内への愛着、京都への郷土心が見える。
とまぁ、このようなことを写真を交えて訴え、最後は次のようにまとめました。
以上のような特色を持つ看板は他都市も含めて他には例を見ず、今や一企業の広告の域を越えた、京都の立派な文化財のひとつであり、その価値を確認し、これからも維持保存していきたい。
今回の受賞が仁丹町名表示板に対する認識をますます広め、市民のみなさんが見守っていただけるような雰囲気づくりにつながれば、非常に嬉しいことであります。
京都仁丹樂會 shimo-chan
Posted by 京都仁丹樂會 at 22:52│Comments(2)
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この記事へのコメント
ご受賞おめでとうございます。
Posted by 夏目ソージキ at 2014年02月23日 20:04
夏目ソージキさん、いつもコメントありがとうございます。
1300件も応募があったらしく、その中から目に留まっただけでも嬉しいものです。減少傾向を少しでも食い止める方向に働いたらよいのですが。
1300件も応募があったらしく、その中から目に留まっただけでも嬉しいものです。減少傾向を少しでも食い止める方向に働いたらよいのですが。
Posted by shimo-chan at 2014年03月02日 16:49