京つう

歴史・文化・祭り  |洛中

新規登録ログインヘルプ


2024年09月26日

上七軒にも「仁丹」復活!

京都の五花街のひとつ「上七軒」に、仁丹町名表示板がこのほど復活しました。

上七軒にも「仁丹」復活!

上七軒は北野天満宮の東門に通じる、落ち着いた花街で、その名は室町時代に北野天満宮の再建の際に出た余材で7軒の茶屋ができたことに由来するそうです。

そして、今回復活した場所は、「がま口」の製造販売などで有名な「まつひろ商店」さんです。
写真は、社長の松井達彦さんです。

“復活”ということは、一度は姿を消したということになります。
10年ほど前に盗難に遭ったのです。
当時は新聞やテレビなどでも取り上げられ、全国からも注目されました。
詳細は、当ブログの次の記事をご覧ください。(リンクしています)

上七軒「真盛町」盗まれる! https://jintan.kyo2.jp/e459459.html (2014年12月27日)
盗難報道のまとめ https://jintan.kyo2.jp/e462538.html (2015年03月01日)

上七軒にも「仁丹」復活!

盗難に遭った元々の「仁丹」はこれでした。

上七軒にも「仁丹」復活!

まつひろ商店さんが、この町家を所有される動機のひとつにもなったとおっしゃるほどに愛着をお持ちのものでした。
また、京都市のまちづくりの変遷を語る上での生き証人としても、貴重なものでした。
( 「京都を歩けば『仁丹』にあたる」 青幻舎 2023年  第五章「仁丹」はうそつかない 動いた?今出川通 )

これらだけではありません。実はもうひとつの顔を持っていました。
それは森下仁丹株式会社のモットー「広告益世」が紹介されるときには、町名表示板の例として社史やHPなどに常に登場する象徴的な個体だったのです。

上七軒にも「仁丹」復活!

(↑ 森下仁丹100周年記念誌 「総合保健薬仁丹から 総合保健産業JINTANへ」 より)


近頃、社員さんを前にして説明する機会が増え、その際に
「この、いつもお使いになる『仁丹』、今はどうなっているかご存じでしょうか?」
と、上記のようなことを紹介したのが、今回の復活に繋がりました。

上七軒にも「仁丹」復活!

以上のような経緯があって、2024年9月18日、新調されたばかりの美しい仁丹町名表示板が設置されたのでした。先日の島津製作所 創業記念資料館と同じく、当会が設置作業に協力させていただいています。

上七軒にも「仁丹」復活!

裏まで真っ白の釉薬が塗られた美しい仁丹町名表示板が、関係者が見守る中、元々の場所に設置されました。


上七軒にも「仁丹」復活!

上七軒にも「仁丹」復活!

盗まれた仁丹町名表示板が戻って来たわけではありませんが、“仁丹のある風景”は間違いなく戻ってきました。

上七軒にも「仁丹」復活!

設置作業中も道行く人が興味深く見入っておられましたが、設置完了後は近所の方が
「やっぱりええなぁ~、似合うなぁ~」
と嬉しそうに話されており、「仁丹」がみなさんに愛されていることを肌で感じることもできました。

北野天満宮など、近くに来られた時はぜひこの美しい「仁丹」もご覧ください。

上七軒にも「仁丹」復活!

ちなみに、まつひろ商店さんの詳細はこちらをどうぞ。
https://matsuhiroshoten.com/
店内には様々な「がま口」などが販売されており、がま口作りの教室も開催されています。

上七軒にも「仁丹」復活!

(↑ 設置前の店内での様子)


また、近くの和菓子の老舗「老松」さんのすぐ横にもあります。あわせてご覧いただければと思います。

上七軒にも「仁丹」復活!


~京都仁丹樂會~


タグ :上七軒

同じカテゴリー(トピックニュース)の記事画像
空白の「北白川」出現!
木屋町二条、島津資料館の「仁丹」復活!
行政区名、縦書きの不思議
埋蔵「仁丹」 1枚復活!
ドクターイエローと「仁丹」
匂天神町の”かぶせ仁丹”
同じカテゴリー(トピックニュース)の記事
 空白の「北白川」出現! (2024-11-16 09:28)
 木屋町二条、島津資料館の「仁丹」復活! (2024-09-13 18:06)
 行政区名、縦書きの不思議 (2024-06-30 12:07)
 埋蔵「仁丹」 1枚復活! (2024-06-08 16:21)
 ドクターイエローと「仁丹」 (2024-04-17 08:50)
 匂天神町の”かぶせ仁丹” (2024-03-14 12:41)

Posted by 京都仁丹樂會 at 14:12│Comments(0)トピックニュース
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。