2012年05月27日
仁丹町名表示板 基礎講座六 「設置時期」⑪京都への設置再び

~ロクヨンイチの追加設置~
琺瑯仁丹で表記されている行政区名には上京区と下京区の他にも、「左京区」と「右京区」があります。その数は、私たちが確認した中ではわずか1.6%にしかすぎませんが。
また、厳密に言えば実は東山区もあるのですが、この話は次回にさせていただきます。
「左京区」と最初から表記されているものは、現在・過去において確認できたものは次の16枚でした。
松ヶ崎・・・6枚 , 上高野・・・4枚 , 一乗寺・・・2枚 , 修学院・・・2枚 , 山端・・・2枚

花園・・・1枚 , 太秦・・・1枚 , 嵯峨野・・・3枚

つまりいずれもが昭和6年4月1日に京都市に編入された愛宕(おたぎ)郡修学院村、松ヶ崎村、葛野(かどの)郡花園村、太秦村などのエリアです。
これは、ヨンヨンイチすなわち昭和4年4月1日までに当時の京都市域に完璧に設置を終えていたところに、ロクヨンイチすなわち昭和6年4月1日の市域拡大に対応して、追加設置したものと考えられます。
このロクヨンイチで編入された周辺部の自治体にはこれらの他にも、上賀茂村、大宮村、鷹峰村、西院村、梅ケ畑村、嵯峨町、梅津村、京極村、松尾村、桂村、川岡村、吉祥院村、上鳥羽村、竹田村、深草町、堀内村、下鳥羽村、横大路村、納所村、向島村、山科町、醍醐村など数多くあるのですが、しかしながら現時点では設置が確認されていません。
嵯峨町は旧太秦村大字嵯峨野ではなく、こちらは天龍寺から釈迦堂などにかけてのエリアです。すぐ西の嵐電沿線の嵯峨野界隈で複数枚確認されているのですから、当時から観光地であることも考えれば設置されて当然でしょう。深草村にしてみても京都と伏見を結ぶ本町通り(伏見街道)沿いであり、さらに第十六師団もあったことからこれまた設置されていたとしても何ら不思議ではありません。また山科町も東海道沿いにと思います。それでも、やはり見つかっていません。考えれば考えるほど、様々な想像が湧いてきます。
・数は少ないものの律儀にすべてに設置されたが消滅している。
・桂川や京都盆地や広大な田畑などによる街の不連続性が原因している。
・飛び地を作らずに中心部から順次拡大設置していく途上で終焉を迎えた。
・広告益世なる判断基準の結果から、周辺部は設置されなかった。
・拡大していく「大京都市」に付いていけなくなった。
ロクヨンイチで大京都市の面積は一気に広がりましたが、設置対象となる家屋は少なかったはずです。森下仁丹のエネルギーを考えれば大京都市エリア全体に設置もできたであろうと想像するのですが、ここはやはり広告益世の判断結果が出ているのではという印象を強く持ちます。さて、真相はいかに?
いずれにせよ、ロクヨンイチで京都市に編入された地域のうちの一部で追加設置がなされたことは間違いなく、それはそう時間をおかず、昭和6年中にすみやかになされたと考えてはいかがでしょうか。
【右京区・左京区表示の追加設置】 昭和6年中に?
(答は昭和6年4月1日以降にあり。おそらくは誕生早々に。)
Posted by 京都仁丹樂會 at 10:53│Comments(2)
│設置時期
この記事へのコメント
いつも参考に勉強させて頂いております
「西陣整体の営業日誌」の佐々田です。
減る事はあっても増える事のない(旧型)
仁丹の看板をとにかく撮りつづけております
私の営業範囲は西陣地区ですが
どれだけ発見できるか頑張ります
また、いろいろとご教授願えれば幸いです。
「西陣整体の営業日誌」の佐々田です。
減る事はあっても増える事のない(旧型)
仁丹の看板をとにかく撮りつづけております
私の営業範囲は西陣地区ですが
どれだけ発見できるか頑張ります
また、いろいろとご教授願えれば幸いです。
Posted by 西陣整体
at 2012年06月10日 03:27

西陣整体さん、いらっしゃいませ。
>減る事はあっても増える事のない(旧型)
いや、それがですねぇ、埋蔵仁丹が復活しているのです。
ここ1,2年で数枚は増えていますし、復活とは言えないまでも大切に保管されている方もおられるのです。
現役であってこそ意味のある仁丹町名表示板、まだまだ期待ができます。
これからが楽しみなのです。
でも、仁丹探しの一番の収穫はいろんな京都の顔を見ることではないかと思います。
どうぞ、京都の街中を旅してください。
>減る事はあっても増える事のない(旧型)
いや、それがですねぇ、埋蔵仁丹が復活しているのです。
ここ1,2年で数枚は増えていますし、復活とは言えないまでも大切に保管されている方もおられるのです。
現役であってこそ意味のある仁丹町名表示板、まだまだ期待ができます。
これからが楽しみなのです。
でも、仁丹探しの一番の収穫はいろんな京都の顔を見ることではないかと思います。
どうぞ、京都の街中を旅してください。
Posted by shimo-chan at 2012年06月11日 00:05